非常に走行距離の少ない1KTのメンテオーダーです。
まだ入手されて間もないという事ですが
一先ずオイル漏れしていたフロントフォークのO/H、
それからチャンバーのブラストペイントを行いました。
フォークのインナーはすでに錆が発生していてNGとなり、
新品調達でのメンテとなりましたが、今や1KTのパーツも高価になり、
フォーク関係のパーツ代のみでそれなりの金額になってしまいました。
長年倉庫保管されている車両に関しましては
走行距離に関わらずシール類が駄目になったりしますので
今後そういった部分に少しずつ手を入れながらも
長くかわいがってあげて欲しいと思います!!
つづいて年季の入ったTDRの入庫です。
以前XR250Rのフロント回り換装を手掛けたお客様より
「念願のTDRを手に入れたのでオイル漏れしているフロントフォークのO/Hをお願いしたい」
そんなオーダーだったかと思います。
(XRはそのまま所有&活躍されているそうです)
せっかくですのでTDR系エンジンの泣きどころである
シフトシャフト、フロントドリブンシャフトからのオイル漏れをお伝えしたところ、
案の定けっこう漏れているという事ですので
その辺りも含めてメンテする事になりました。
↑フォークブーツが破れていました。
社外品を持ち込まれましたのでO/H後に取り付けます。
ドリブンシャフトのカラーとシフトシャフトはこの写真でみるより激しく消耗していました。
ドリブンシャフトカラー外周部のシール交換は毎度一筋縄では行きません。
本来は外から脱着不能なものをなんとか取り外して、
脱着可能な対策部品に交換するのですが、
クランクケース合い面の精度が今一でシールがスムーズに入らない場合があるのです。
やり慣れている当店ですら難しい作業でして
今回も一回目の攻撃は返り討ちに合い、はあえなく撃沈されました。
当然一個\1500のシールはオシャカ(泣)
オシャカになったシールを観察し、
クランクケースとの当たりが悪い部分をすり合わせして2回目の攻撃を敢行!!
辛くも攻略完了です。
しかしとても写真を撮っている余裕がありません。
マニーホールドもかなり酷くひび割れていたので交換。
一通り作業が終わったところで
スロットルを戻してもオイルポンプが戻らない事を発見!!
ケーブル類がだいぶくたびれていた様です。
変に折れ曲がっている部分もありましたので新品交換して終了です。
TDRというバイクはオフ車のカッコはしていますが
実際にオフで使用する人はあまりいないと思います。
しかしながら今回のTDRはバリバリオフを走ってきた車両の様で
けしてきれいではないけれど、オフならではの凄みがありました。
次回はエンジンO/Hを予定されていという事ですが
これからもガンガン使ってやってください!!