「XR250RにCR125Rのフロント足回りを移植してもらいたい」
そんなオーダーです。
今回は車体のお持ち込みも可能という事でハンドルストッパーの加工等も行いました。
↑緑枠が倒立フォークのCR
赤枠がノーマルのXR250Rです。
ベアリング径もステムシャフトの長さも異なりますが何とかなります。
↑超々ジュラルミン7075材で製作したシャフトです。
黄色枠は100分台精度で製作したスペーサーカラーで
トップブリッジ側に圧入させます。
その隣のシムカラーはトップブリッジ裏側とナットとの当たり面積を増やすために
「間」に配置するものです。
↑ブレーキホースはノーマルをそのまま使えました。
ライト回りは入庫時に金属バンドでフィッティングされていたものを
簡単に移し替えておいてくれれば良いとの事で、お言葉通りタイラップで仮固定しました。
CRはレーサーの足回りなのでハンドルロックや
スピードメーターは今回のオーダーでは省略です。
ただし、ステムの切れ角を決めるストッパーだけはしっかりセットされていないとまずいので
フレームヘッド下部のストッパーを整形後、新規プレートを溶接して仕上げました。
※写真は撮り忘れました。
という事で興味のある方はお問い合わせください!!
<追記>
ご要望にお応えして納車したXRですが
その後オーナー様から御連絡があり、ハンドルの切れ角を増やせないかという事です。
どうやら倒立フォークへの換装で生じるステムの切れ角の減少について
想像以上だったようです。
そこで改めて入庫して頂き対策を練る事にしました。
↑前回写真を撮り忘れたストッパー部分です。
このストッパーの幅を狭く加工し直したところで
ステムアンダーブラケットとタンクが干渉してしまいますので
どうしたものかと考え込んでしまいました...
車両オーナー様の提案で
「XR250RはGタンクとシートの間に1pほどの隙間があり、
Gタンクの固定方法も前方はボルト止めですが
後方はゴムバンドで押さえているだけなので
前方のステーを造り直してタンクを1pほど後退させれば
ステムの切れ角を増やせるのではないか?」との事。
なるほど..
追加料金は発生してしまいますが
清くご了承いただけましたので現物合わせにトライすることになりました。
↑ 上段が新規に製作したステーです。
NCで外周加工を施していては加工金額がアップしてしまいますので
コンターマシン(バンドソーみたいなもの)でできるだけ
正確に外周を切りぬいてベルトサンダーで仕上げた次第です。
製作は現物合わせが得意な店長です。
↑左がノーマル、右が今回製作したステー。
ちゃんとノーマルのゴムブッシュを使える様にするのは言うまでもありませんね。
↑ダンクを後退させる事で20mmちょいの隙間を確保できましたので
ストッパーを整形して切れ角を増やしました。
これでノーマルと同等の切れ角は確保できましたので問題はないはずです。
↑タンクとシートの隙間は無くなりました。