RZRにTZR250(1KT)の三又(フロント周り)を流用する際の最悪の例です。
こういった車両をオークションで購入されて「何か辺なんだけど」と
持ち込まれる例が増えてきていますので、
念のためにアップしておきます。

↑画像上の三又アンダーブラケットは、1KTのブラケットにRZRのシャフトを圧入溶接した正常物です。
(作業は当店で行いました)

下は1KTのノーマルシャフトです。
RZRとはこれだけ長さが異なるのですが、シャフト交換はされず
当店から見れば逆に凝った方法でRZRに取り付けられていました。
しかしブレーキをかけるたびにガックン状態でとてもまともに乗れず、
最悪の状態です。


↑1KTシャフトのアッパーベアリング取り付け部が
グラインダーか何かで加工され下部へ(画像でいうと右方向)延長されていました。
恐らくこの状態でベアリングを装着し、
トップブリッジ下のナットとアッパーベアリングの間に
下駄(スペーサー)となるカラーを噛ませて対応させようとしたのだと思います。
しかし結果的には上手く行かなかった様で...


↑次は本来ヘッドパイプ下部に圧入する純正インナーレースを使用せず、
画像の様な厚みのあるレースが取り付けられていました。
素材は何とアルミ製です。
もうここまでくると素直にシャフト打ち換えた方が安いし、
安全なのにと思うばかり....

↑ 当店にて打ち換え後に溶接とペイントした物です。
ここまでの間に1KTとRZRのシャフト引き抜きが入ります。
(シャフトエンドの溶接は旋盤で取り除きます)
工賃は\21000(車体からの足回り脱着工賃は別途です)

というわけでシャフトを長さ違いを補う下駄を履かせるにしても
限度という物がありますので、不幸にして上記の様な車両を手にしてしまった場合は
悩まないでまずご相談下さい。