ホーネット250にZXR400のフロントをフィッティングさせるの巻きです。
市販のフォーク延長キットを使用して、
ZXR400のフロント回りをフィッティングさせて欲しいそんなご依頼です。
もちろん当店では初めてのパターンですので
倒立化によってどの様な走りになるのかは予測できません。
それでもという事でいつものごとく検証からスタートしました。
↑ステムシャフトは予想通り互換性は全くありませんので
超々ジュラルミンでワンオフ製作しました。
トップブリッジはノーマルのままの穴径ではどうしても設計上無理がありますので、
カラーを圧入して径を整えました。
トップブリッジにはハンドルポスト用の穴がすでに4点開けられております。
↑ 持ち込まれたフォーク延長キットは確か50mmくらいだったと思います。
本来はキットとフォークの接合部を同時にクランプさせないと危険なのですが、
今回はパイプハン仕様で負荷も少ない事からフォーク長を優先させました。
これは当店とお客様との入念な打ち合わせの上で決定した事ですので、
一般の方は真似しないで下さい!!
そして上の写真の通り、フレームヘッドパイプ側のストッパー上下とも
溶接による延長と整形加工を施しました。
これで三又側でのストッパー加工は不要です。
さぁ〜て、車体持込で三又ごとフロント回りを換装させる場合、
三又そのものはステムシャフトの換装で大抵は何とかなりますが、
そこにノーマルのメーターやライトステーを
さりげなくフィッティングさせるというのが容易ではありません。
メーターステー(クランプ)の製作にはジグも必要ですので
後でサイズが合わない場合は本当に泣いてしまいます。
なんども検証を行ってから製作に入ります。
上の写真はホーネットのノーマルライトステーをZXRの三又にフィッティングさせたところです。
ステーの下部は不必要な部分を切り取り、台形を逆さにしたプレートを溶接、
上部はステーの先端を一度切断してからL字のアングルを溶接、
それぞれをボルト止めにします。
他にも整形の仕方は色々あるのでしょうが、
限られた予算内で現物合わせしなくてはならないので
今回はこれ以上の事はできませんでした。
↑判りづらいですが、右はメーターステーです。
↑そして完成写真
因みにキーシリンダーはそのままではZXRのトップブリッジにフィッティングできません。
またトップブリッジそのものにも若干加工を施してあります(写真撮り忘れた)
↑フロントマスターは今回 ヤマハR1のラジアルタイプをチョイスしました。
キャリパーはブレンボでしたが凄く良いタッチです。
実はリヤ回りはすでにホイールの換装が行われております。
確かタイヤサイズダウン180→160になっていたと思います。
この辺りは車両オーナーの拘りでしょう。
完成後の試乗結果ですが、
通常のスピードレンジでは全く違和感が無く正直驚きました。
これからもっとハードな走りをした時にどういうセッティングが必要となるかは不明ですが、
リヤタイヤが細くなっているのも個人的には大いに気に入りました!!