さて、当店ではRZRなどに他車のスイングアームを流用する場合などに、
当然スイングアームの幅つめ加工なども行っているわけですが
サスマウントキット等
単純に幅つめを行っているわけではありませんので
そんな加工の一例をアップします。



上の画像はR1Zに3MAのスイングアームを流用するために幅つめされたスイングアームです。
使用ベアリングはR1Zの純正品ですので、当然ピポットブッシュ(パイプ)もR1Zの物がそのまま使用できます。
ただし、R1Zのベアリングは3MAのものより外径が小さいので
スペーサーとしてジュラルミン削りだしの高精度カラーを同時圧入しております。

R1ZやRZRと3MAではピポットブッシュ(パイプ)の
外径&内径&長さが異なるのはご存知の通りです。
R1Zは外径が24mm、内径が16mm。
(RZRも初期型を除いてR1Zと同じです。初期型は外径と長さが異なります)
3MAは外径が28mm、内径が20mmです。

そこで本来なら3MAと同じ外径28mmで内径が16mmのブッシュ(パイプ)を製作すれば、
高精度のジュラルミンカラーなど製作しなくとも
3MAのピポットペアリングがそのまま使用できるのですが、
200mm以上もある焼き入れブッシュ(パイプ)の製作というのは内径誤差が出やすく、
+公差では内径が広がりガタが出て、-公差になってしまった場合は、
肝心なピポットシャフトが入りません。
この公差は一般の方が考えているより大きく、NC旋盤を持っている業者に
外注依頼しても、その公差は+.-0.5というアバウトなものです。
もちろんそれ以上のものを製作してくれるところはあるでしょうが
価格のおりあいがつきません。

当店でも初期の頃は外径28mmで内径が16mmのブッシュ(パイプ)を製作し、
サスマウントキット等に使用していたのですが
10本製作してもその内使用できるのが3本ほどしかないという効率の悪さから、
今ではこうしてスイングアーム側で対処しております。

こう言った一連の加工を施すとどうしても価格がアップしますが、
ここはショップとしての拘りの世界になってしまいます。
因みに単純な幅つめ加工でも
左右で税別\10.000ほど(3MAの場合)の工賃がかかります。