ある業者様よりFTR223の足回りコンバートオーダーが入りました。
使う足回りは‘89NSR250R
当店で行うのはコンバートに必要な基本作業です。
補器類やフォークのセッティング、
スプロケットやチェンのセッティング等
加工屋でなくてもできる作業に関しましては今回行いません。
尚、等HPへのアップに関してはご承諾頂いております。
↑入庫時の写真です。
今回の条件としては
フレームを大改造する事なく、
FTRと同じ方法でNSRのリヤサスを使って足回りをコンバートさせるという事です。
まずはいつものごとく、検証&データーすり合わせを行い、
加工数値を決めて行きます。
↑NSRのピポットシャフトに対してFTRの方が細いので
それを補いつつ、ピポット幅も合わせるために製作したパーツです。
緑枠の部分にはNSR純正のパイプから取り外した皿状のパーツが取り付けられます。
※パイプの遊びを抑制するため
↑ ピポット左のベアリングですがNSR純正は特殊サイズですので
ニードルベアリングの内径変更し、規格品を使用しました。
赤枠のインナーカラーはベアリングのローラーに耐えられるように
熱処理されたワンオフ物です。(製作できる場合とできない場合があります)
ダストシールは純正品を若干加工して使用します。
↑NSRのピポット右側には内径15mmのボールベアリングがWで配置されますが、
FTRのシャフト径に合わせて製作した段付きカラー(赤枠)を挿入できるように
ベアリングサイズ(緑枠)を変更します。
まぁ この方法は当店としてはNSR流用の際にはポピュラーですね。
さてアームピポットの作業が終わり、
一先ずフレームに仮組できる様になりましたら
車高設定用のジグをシートレールとアクスルシャフトに取り付け、
お客様から指示のあった車高でアームをフルストロークさせた場合の
各部のクリアランスやサスマウント位置等の検証を行って行きます。
↑ 廃材を利用しつつ都度製作されるジグです。
ネジ式でアームの下がり具合を任意に変更できる様になっています。
検証の結果、黄枠の部分がアームに干渉する事が判りましたので
干渉部分を切り取ってフタをします。
因みに今回はフレーム補強等に対する作業は依頼事項にありません。
↓新規マウントは7N017材で製作しました。
ブロック材を凹形状に切削加工してから溶接する方法もありますが、
加工時間と材料費を考えると予算の範囲内には到底納まりませんので
15mm厚の板材から製作しました。
サスの別体タンクは取りあえず仮組
サスは狙った通り良い感じてで動いています。
↑ このFTRのはコワース製のバックステップが取り付けられていましたがドラム用です。
そこでブレーキマスターが取り付けられる様に改造しました。
ペダル戻し用のバネもコワースのRZR用を加工して取りつけ。
↑トルクロットも新調しました。
`89NSRのリヤキャリパーサポートはフローティングタイプですので
トルクロットの一方はフレームに取り付けます。
今回はステップ固定ボルト周辺に補強を入れて共締めする事にしました。
↑サイトスタンドですがそのまま羽上げるとスタンド先端とアーム側面が干渉してしまいます。
そこで写真では判りづらいですが赤枠部分に溶接で凸をつくり
スタンドが目一杯上がらない様にしてあります。
尚、NSRのフロント回りをそのまま取り付けただけでは
フォークが短くなった事により車体が立ち過ぎてサイドスタンドを短くする必要があります。
という事で一先ずリヤ回りの作業はこれでほぼ終了です。
次にフロントへ行きましょう!!
↑左写真上がNSRのノーマル
右写真の右側はFTRのノーマル
赤枠シャフトは今回ワンオフしたものです(スチール製)
↑ステムストッパーはヘッドパイプ下部左右に新たに設置。
キーシリンダーに関しては今回NSRの物を配線加工して使用するとの事ですので、
それに合わせてヘッドパイプ側のストッパーを加工しました。
↑切れ角はこんな感じです。
↑以上で当店での作業はすべて終了です。
個人的な感想としてはフロントは30mm〜40mmくらい延長させて
セパハンはNSRのノーマル形状のタイプよりも
もっと前方のあるタイプの方が良いかなぁ...
でもセパハンのFTRは良いですよ〜
細かい部分ですがチェンラインは異なります。
リヤホイール側では対処できないので
フロントオフセットスプロケットが必要になります。
市販品がなければアファムでワンオフという事になりますか..
いずれにしましても今後どのように細かい部分が仕上がって行くのか楽しみです!!
○○○○○○○○○様
今回は当店にオーダー頂き誠にありがとうございました!!