SRXの2型に3XVのフロント回りを流用されている方から、
「SRX2型用テクノマグネシオのホイール、
φ320サンスターローター、ブレンボレーシングキャリパーのフィッティング、
及び、リヤにもブレンボキャリパーを上向きでフィッティングして欲しい」
とのオーダーが入りましたので承りました。
尚、リヤはカメラの不調で途中から写真を残せませんでした(泣)
さて まずは各部を検証してホイールのセンター出しからフィッティングまでを行います。
SRXのアクスル径はφ15ですが3XVはφ17。
3XVの方が径が太いのでそのままではSRX用のホイールに3XVのシャフトが通りません。
もちろん外径、内径、厚みとも互換性のあるベアリングは無し。
(逆のパターンなら良いのに...)
そこで裏技ですが、SRXのベアリングと同じ外径のまま、
内径が17mm→20mm
厚みが13mm→12mmの規格ベアリングに変更させた上で、
内径を合わせるスペーサー付きアクスルカラーをワンオフして対応させます。
↓が今回製作したものです。
赤枠カラーはホイール右側からベアリングに差し込んで使用するもの。
黄色枠カラーはホイール左側のベアリングに挿入し、
-1mmとなったベアリング厚とシャフト径をを補います。
そして緑枠カラーですが、これは自体は位置合わせのために製作したダミーカラーで
ギヤボックス外側とフォークの間に入ります。
これらが揃ってやっとホイールが設計通りにフィッティングできたかどうか確認する事ができます。
予め予定していた公差内に収まれば引き続きローターやキャリパーをのフィッティングに取り掛かりますが
収まらなければ当然造り直しとなります。
ところで
緑枠カラーがギヤボックスとフォークの間に入るという事は
その分だけギヤボックスは3XV正規の位置より内側へ移動するわけです。
となるとギヤボックスを固定するフォーク側のストッパーが届かず、
アクスルシャフトを固定してもギヤボックスは空転してしまいます。
そこで最終的には右側の黒い物体を製作しスペーサーとストッパーを兼務させます。
↑因みにカラー製作の肝の部分ですが
赤枠カラーの外径(シールに当たる部分)は
SRXのノーマルカラーサイズでも3XVのノーマルカラーサイズでもNGです。
新規ベアリングの内輪は内径が20mmに変更されていますので
それに合わせたカラーサイズとシールが必要となります。
今回何のシールを使ったかは
ひ・み・つ(笑)
↓今回はお見積りの段階でローターのオフセットが好ましいという結果になりましたので
写真の様なスペーサーを製作しました。
↓最後になってやっとキャリパーサポートの出番です(笑)
ブレンボレーシングの口は狭いのでローターがキャリパー本体に触れないよう
位置出し検証段階でいつも時間をかけます。
今回もダミープレートを何枚か製作してから本格的な設計に入りました。
↓キャリパーサポートの加工が終わった段階でまずは仮組。
ここで異常があった場合はこれまでに費やした時間がすべて無駄になりますので
キャリパーを取り付ける時など
「たのむぞ〜」っと思わず声に出してしまいます。
特に問題がなければ細部の仕上げを行ってアルマイト行きです!!
↓写真はリヤサポート
SRX2型は2本サスですので、サスにトルクロットその他が干渉しないかどうか心配でしたが
結局トルクロットは板状の物を製作しました。
尚、今回はホイールのベアリング交換、タイヤ交換、シール、バルブリム交換等も当店にて行っております。
遠方からパーツを宅配で送って頂いての作業でしたが
無事にフィッティングできたとの事で安堵しました。