当店ではカラーのワンオフオーダーに対して、
一から製作するなり、
安価な工業規格品のお取り寄せを薦めるなり、
臨機応変に対応しておりますが、
一般的な工業規格製品では対応できないカラー製作について
ご紹介したいと思います!!
↑まずはこのたぐいですね。
ホイールを換装させたいがシャフト径が合わないという場合です。
その場合は内輪を兼ねたアクスルカラーを製作して対応したりします。
今回の例では右写真の赤枠部がベアリング間のカラーにそのまま挿入される仕様です。
内径&外径100分台精度の精密級カラーとなります。
形状やサイズに合わせて都度見積り。
※当店ではエンジン関係(ピストン クランク ミッション等)に使用するための
内輪/外輪スペーサーの製作は行って下りません。
今回は内径がジャスト15mm。
ベアリング内輪に挿入する部分で-0.02mmに設定しました。
真っ直ぐであれば手で挿入できるレベルです。
(圧入タイプもご希望に応じて製作します)
ところで一般的な規格のベアリングについて
カタログ数値とは異なる実寸についてご存じですか?
例えば写真のベアリングは有名メーカー品でカタログ上では、
外径42mm、内径20mm、幅12mmとなりますが
実寸では外径、内径、幅とも100分台のマイナス公差となります。
(測定器の誤差はご了承ください)
まぁ外径と内径はさておき、幅が-0.03でも異なれば
こうしたベアリングを同一線上に4個配置した際に
カタログ数値上では48mmでも、実寸では47.88mmとなるわけで、
ベアリングだけで約0.12mmの誤差が出るわけです。
今回のカラーはベアリング幅よりスペーサー部(赤枠)が飛びたしているので問題ありませんが、
↓で紹介する内輪カラーなどオーダーする際は、
カタログ数値上のベアリング幅よりも狭く設定しないと、
ベアリング内輪がカラー間で遊んでしまう事になりますのでよくよくご注意ください!!
※一般的にボールベアリングタイプはカタログ表記の寸法よりマイナス公差となりますが
アームピポットなどに使用されるニードルベアリングは
プラス公差となる場合が多いのではと思います。
次の例としてリヤ足回りの換装を行う際、
ピポットシャフトの径の違いからフィッティングに難儀する場合が多々あると思います。
↑の例で言えば、新たに取り付けたいスイングアームのピポットパイプ(緑枠)は内径がφ20mm。
しかし車体側のシャフト(黄枠)はφ16mmなんて場合です。
そこで大抵の皆さんは内径を合わせたピポットパイプをワンオフすれば良いと考えると思いますが、
長物のパイプは加工工程上どうしても内径精度を保つ事が難しく、
純正品より精度が大幅に落ちる場合があります。
当店でもその時々の仕様で大いに悩むのですが、
一本物で精度を保ったパイプの製作がどうしても難しい場合は、
赤枠の様な精密級カラーを製作してパイプ両端から挿入してやる必要があります。
外径はパイプ(緑枠)の内径に対して0~-0.015としました。
+公差にして完全な圧入にする場合もあるのですが、
わずかに-公差にしてロックタイトを併用するだけで
固定後はプレスを使わないと引き抜けないレベルで仕上がります。
しかしながら、加工中は素材に熱が入り膨張しますので
冷めた時にちょうどよい寸法になる様に製作するのはなかなか大変です。
↑実際に挿入してみました。
この様な100分台精度のスペーサーカラー製作代はステンレス製で税別一個\4,000~です。
ただし肉厚には限度があります。
1mmより薄い場合は基本的にNGだと思ってください。
※ 純正パイプの精度によっては
パイプ側の内径を予め加工しなくてはならない場合がありますし、
こうした構造にできない場合があります。
↑こちらはベアリング内輪となる精密級スペーサーカラーです。
スイングアームピポット内部に仕込むベアリングなので
スペーサーカラーが内側に落ちない様、プレス挿入レベルで仕上げました。
この手のサイズで税別\3,000〜です。
↑こちらはベアリングに挿入する必要もない10分台公差の並級カラーです。
形状や必要サイズ合わせて都度見積。
必要なサイズや形状、公差、素材、用途、
直接打ち合わせができる電話番号と時間帯を記載して
メールかFAXにて送って頂ければ
都度お見積もりをしますのでお気軽にお問い合わせください!!