TWスイングアームにNSR250ホイールとブレーキシステムを
ボルトオンさせるための加工オーダーです。
↑これはNSRのノーマルスプロケットハブです。
各パーツを測定した結果、TWチェンラインはNSRに比べてかなり外側になる事が判りました。
↑赤枠は今回製作したスプロケットハブです。
NSRのダンパー類やベアリング、シール、Oリングも使える様に設計しました。
素材は7075材で使用するスプロケットはヤマハの3LN用(428)です。
↑今回製作したカラー類です。
NSRとTWではアクスルカラー径が異なりますので
緑と赤カラーはベアリング内輪スペーサーも兼ねています。
緑カラーはスプロケットハブベアリング用
赤カラーはホイールベアリング用
青はキャリパーサポートとアーム間に配置するカラー
写真にはありませんがNSRのキャリパーサポートにも
スペーサーカラーを圧入させてあります。
因みに黄色部分がベアリング内輪に挿入されます。
今回は内径20mmのベアリングに対して-0.03mmで設定し、
真っ直ぐカラーを挿入すれば手でもぎりぎり抜き差しできる状態にしました。
何故かと言いますと、今回は長いカラーが含まれますので
カラーを抜き差しする時に専用工具(長めのプーラー)が必要になる様では
今後のメンテ時にやっかいになるかと判断したためです。
↑ワンオフしたハブにOリングやシール、ベアリング等必要な物を仮組した状態です。
↑こちらはホイール側
さてここまでの作業はすべてTAKUオーナーの仕事ですが
ここから店長にバトンタッチします。
↑ハブやカラーの製作が終わったらリヤキャリパーサポートのストッパー製作を行います。
スチール材から現物合わせで削って溶接します。
この時気をつけなくてはならないのはチェンス引きの調整によるアクスルシャフトの移動量です。
アクスルシャフトは前後に移動しますので、
どのポジションでもしっかりと機能する様にします。
↑最後は錆び止めのために仮ペイントします。
↑ホイールとワンオフハブの絶妙なクリアランス!?
↑出荷前にもう一度仮組して状態を確認します。
NSRのホイール自体はノン加工です
※今回は車両お持ち込みではありませんので
TWノーマルパーツとNSRのパーツを比較検証して各部の加工数値を決めました。
↑次にフロントです。
写真左がTW 右がNSRだと聞いていましたがトップブリッジは?
いずれにしてもシャフトエンド径には互換性がありましたので
入れ替えて溶接固定します。
↑トップブリッジに関しましては黄色部の径が合いません。
TWに対して微妙に大きいのでそのままではスペーサーカラーも入れられません。
ので一度拡大加工を施し、専用のツバ付きカラーを製作して圧入します。
ツバ部分の厚みはシャフトトップが飛び出さない程度に設定しますが
車体お持ち込みではないのでこの辺りは推測も入ります。
もしもこちらが思った様に組みつけられない場合は、
無料でやり直す覚悟でトライしています。
↑溶接して錆び止めのペイントを施しました。
こうしたペイントはあくまで仮の姿でサービスで行っているものなので
その点はご了承くださいませ!!
↑アンダーベアリング下に入るシールとスペーサーカラーです。
これらの厚みも考えシャフトの圧入長を決めます。
以上、今回も前例の無い作業で大変でしたが面白くもありました。
あとは実車に首尾よくフィッティングできる事を祈るばかりですね!!