XJR400のトップブリッジ&フォーク、
TZR250(3MA)のアンダーブラケットを使ってSRに
フィッティングさせるためのカラーを製作して欲しい。
確か当初はそんな内容のメールを頂いたと思います。
しかしながら指定して頂いたカラーサイズが、
3MAブラケットを使用するにしては異常なサイズだったため、
矛盾点をお伝えした上で再度ご検討を頂いたところ、
どうやら3MAのアンダーブラケットに別の車種のステムシャフトが装着されている様だと言う事です。
そこで、最悪ステムシャフトをワンオフするつもりで
現物をこちらで送って頂き、再検証する事になりました。
↑3MAのノーマルよりかなり長いステムシャフトが
一見普通に圧入されている様に見えました。
ところがシャフトを引き抜いてビックリ...
ヤマハの場合はアンダーベアリング内径が同一でも
その下のブラケット圧入部の外径が異なる場合があり、
3MAもわずかに太くなっているのですが、
このシャフトはアンダーベアリング内径と同じサイズのまま
Cリングストッパーまで続きます。
つまり3MAのアンダーブラケットに装着すると、
ゆるゆるで回ってしまうわけです。
そこでポンチを打ってわざとシャフト外周面を盛り上げ、
ロックタイトで隙間を埋めて圧入している様に見せかけてあるだけでした。
当然そんなんでまともに固定できるわけがありませんので
かる〜く引き抜けてしまいました。
↑ロックタイトを落す前です。
幸い、清掃して面を整えたら再使用できるレベルでしたので
ステムをワンオフする事となりました。
因みにSRに3MAのアンダーブラケットを流用する際は
アンダーベアリング下にスぺーサーを噛ませて
シャフト長を調整した上でフィッティングさせる方が多い様ですが、
(シャフトはワンオフしないで)
SRの場合はそのやり方で固定すると
アッパーベアリング内輪とシャフトの辺り面がかなり少なくなる様です。
かと言ってスぺーサー厚を薄くするとヘッドパイプ下部とアンダーが干渉する恐れがあるため、
当店ではそのやり方を勧めしてはおりません。
スぺーサーはサイズを指定して頂ければワンオフしますが
自己責任で対処してください。
↑ワンオフシャフトです。
ワンオフであってもアンダーベアリング下にはスぺーサーを配置せねばなりませんので
それらを計算して各サイズを決めました。
↑完成です。
今回はSRの車体もノーマルの三又もお持込みも不可能でした。
よって過去のデーターを利用してシャフトの設計を行いましたが、
3MAのアンダーブラケットに対してXJR400のトップブリッジを使用するにあたり、
最終的な個体差の確認ができないままです。
そこで念のために微調整用のスぺーサーを二枚用意して発送しましたが、
結果的にはそれらを使う事なく、
組み込み完了のお写真を頂く事ができました。
お役に立てて良かったです!!