「3MAにもっと口径の大きいTMキャブを取り付けたいが、
それに伴いアルミ製のエアクリボックスを製作して欲しい」
そんなオーダーでした。
条件としては
@キャブ全体を包み込む構造とする事。
Aエアクリボックスを取り外さずにキャブのみ脱着できる事。
Bアンダーカウル内に完全に納まる事。
以上です。
こうした組み合わせで果たしてセッティングが出るのかどうか
当店では判りませんが、
とにかく、まずは「カタチ」にして欲しいとの事でしたので
チャレンジしてみる事にしました。

尚、当初は4日ほどで完成するかと思っていましたが、
設計図が無い中での現物合わせは困難を極め、
製作に8日ほどかかってしまいました。

  

↑箱の素材は溶接性の良い5052材を選択しました。
ただし5052材はそれなりに強度があり、
そのままでは各部を均一に曲げ加工する事ができません。
そこでベースプレートを整形する時点で
曲げ加工を必要とする部分にはV字の溝を掘って
後で曲げ加工がし易いようにしました。

写真には写っていませんが、
正面の十字の部分に市販のエレメントを挟む構造です。

ボルトのネジ穴は箱であるベースプレートに直にネジを切るのではなく、
ナッター(って名称か!?)を仕込んであります。


  

↑側面を見るとベースである箱に現物合わせで
色々な角度が付けられているのが判ります。
側面も「フタ」形状にしてクランプのネジを緩めたり、
色々と調整しやすい様に配慮しました。

ベースである箱はマニーホールドと共に固定されますが、
振動対策がどの程度必要なのか
現段階では判りませんので、
今後は更に固定方法を考えなくてはいけないと思います。

↑トップには幾つかの円形の穴を開けまして、
スロットルワイヤーや配線関係を通しています。
これらの隙間対策も今後の課題です。

↑という事で細かい部分を除いては
ほぼオーダー内容に沿って完成しました。

因みに今回の溶接は金型溶接のプロにお願いしました。
これだけ溶接が多いとどうしても歪がでますので、
それを修正しながら加工していくのも一苦労でした。

この3MAのオーナー様は
他に大型車もお持ちですが、いずれもサーキット走行がメインの様です。
この3MAはこれからバッテリーの配置転換その他
細かい作業が続きますが、
どの様な走りをするのか今から非常に楽しみです!!