↑まず送って頂いたパーツの検証です。
画像の通りGBとRVFではかなりサイズが異なります。
これからの作業を考えると気絶しそうになります(笑)
双方のステムシャフトを引き抜いた結果、
シャフトの互換性はある事が判りました。
ただし、単純にシャフト長を合わせるだけでなく、
アンダーベアリング下にスペーサーを入れて
ヘッドパイプ下部とアンダーブラケット上面が干渉しないように配慮します。
↑フレームが無いとハンドル切れ角の設定ができません。
フォークの径もピッチも大幅に異なりますので、
単純にGBと同じ位置にストッパーを立てると
アンダーブラケットがどこかに干渉する可能性があるわけです。
こればかりはどうにもなりませんでしたので、
お客様に予めストッパー新設位置を指示してもらいました。
画像の赤ペンの先に↑とマークがあります。
RVFはスチール製のアンダーブラケットですが、
まずノーマルストッパーを削除して、
下地造りを行い、新たなストッパーを溶接しました。
GBのアンダーブラケットを見ると、
ヘッドパイプの外周ギリギリのところにストッパーが立っている感じですので、
その加減がとても難しかったです。
↑そしてワンオフしたトップブリッジです。
一見何の変哲もないトップブリッジですが実は相当苦労しました。
↑GBのキーシリンダーをつけた状態です。
ご覧の通り、通常とは固定方法が異なるためL字のステーが必要となりましたが、
問題は検証用に送って頂いたGBのノーマルトップブリッジのステー精度が低く、
キーシリンダー固定ボルト位置が右と左で大きく異なるのです。
こんな時、フレーム合わせができれば良いのですが、
適わぬとあれば、L字ステーを前後に微調節できる様にするしかありません。
こういう小物の製作だけで実は大変な時間がかかります。
ですが皆さん。
ハンドルロックは盗難に対しては気休めにしかなりません。
思いっきりガツンとやられれば、
ノーマルトップブリッジのステーでも折れますので
セパレートタイプのステーに強度を求めないで下さいね。
↑メーターフィッティングはこの通り。
↑さてさて先にトップブリッジの紹介をしましたが、
ある意味トップブリッジよりやっかいなのがCB400SFのライトステーフィッティングです。
こういうのはトップブリッジが出来上がってから現物合わせてで加工して行くしかないのです。
んで何が大変かと言いますと、
GBのステムシャフトを打ち換えたアンダーブラケットと、
今回製作したトップブリッジをフレームに仮組みできれば、
アンダーブラケット上面とトップブリッジ下面の間隔がはっきりとしますので
それに合わせてステーを加工して行けば良いのですが、
フレームに仮組みできなければ確実な位置出しができません。
そんな時にどうするかと言いますと...
今回換装したGBのステムシャフトはもちろん中古品ですので、
ステムシャフトにはアッパーベアリングレースが付いていた部分に
薄っすらと横筋ができています。
その横筋にベアリングレースを合わせて、
その上のナットやカバー、トップブリッジの固定位置(高さ)を推測するわけです。
しかし、それはあくまでも推測でしかありませんので、
トップブリッジの固定位置が多少上下する事を考えて、
ライトステーフィッティングも考えなくてはなりません。
↑ そこでもう一度上の画像ですが、
ステー下部で指差した部分は必要ありませんので切断しました。
ステー上部で軍手で指差している部分は大幅に加工が必要です。
因みにワンオフしたトップブリッジには、
現物合わせでステーがフィッティングできる様、
予めボルト穴を幾つか作っておきます。
↑ステー下部に長穴を開けたステーを溶接します。
そしてL字ステーを製作してフィッティング。
L字ステーにはボルト固定用のナットを溶接してあります。
この長穴によってトップブリッジの固定位置が多少変化しても
対応できるはずです。
↑ステー下部のフィッティングはできましたが
画像の通り、ステー上部は左右の棒の部分をカットしただけです。
↑結局この様な形状のステーを製作して溶接。
形状が複雑になったのには訳があります。
トップブリッジ側に予め開けておいたボルト穴が
あと10mmほど前方にあれば
単純なL字ステーの溶接で済んだのですが、
そのボルト穴とステーの棒の部分が軸線上になってしまったのです。
トップブリッジの形状からボルト穴位置の変更はできませんので、
ステー側で対処するとこういう形になるわけです。
工具を使う時のスペースも配慮してあります。
↑ライトーステー、アンダーブラケット共、
サンドブラストしてウレタンペイントを施しました。
↑SF400のライトステーに穴を開けてウインカーをフィッティング。
↑おおっ ここまで来るのに何日かかった事か...
この後車体に取り付けて本当にボルトオンできるかどうかが心配ですが、
ショップとしてできる限りの事はしたつもりです。
いつもの事ですが、トップブリッジ等NC機器を使用したワンオフ製作は
私 TAKUオーナーが担当しました。
そしてステムシャフト換装や現物合わせに関する事は
すべて店長が担当しております。
できるだけ切った張ったに見せないようにするのは
やはり根気のいる仕事ですね。