「SR400にXJR400のリヤ回りをフィッティングさせて欲しい」
そんなオーダーです。
フロントにはすでに3XVのものがフィッティングされていました。
基本的なパーツはすべてお持込頂きましたので
各ディメンションを検討して製作しました。

↑完成写真です。
光の関係で白単色に見えますが、
全体にパールが入っていて各部にさりげなくステッカーが張ってあります。

↑ SRにXJRのスイングアームをフィッティングさせる場合は、
ピポット部の幅詰めや、ベアリング圧入部の段付修正、ピポットブッシュの幅詰め等
まず基本的な作業を行います。

次にXJRのサスマウント位置はSRのノーマルに比べてかなり後方にありますので
それを手作業で削除し新たなマウントを溶接します。
上の写真で指差した部分にノーマルのマウントが溶接されているわけですが、
もちこまれたスイングアームは元々バフがけされている事もあり、
削除した後に磨きこんでノーマルの形跡を排除できました。

新規マウントは市販の物です。
溶接性はかなり良好でした。

サスはXJRの物でエンドアイのフィッティング部分には
硬度のあるカラーを追加で仕込んであります。


  

フロントに市販のオフセットスプロケットを使用しつつ
リヤのスプロケットハブも追い込みます。
写真ではタイヤとチェンが干渉しているように見えますが
実際には5mmほどのクリアランスとなります。
当然チェンラインは全く問題ありません。

タイヤは150/70-17インチですが
タイヤの外径から減速比を計算し、
フロントオフセットスプロケットの丁数に合わせてリヤの丁数も選択してあります。



 今回のスイングアームは持ち込まれた時点で
ピポット部に幅詰め加工が施されていましたが、
SRにそのままフィットさせられるという状態のものではなく、
加工面もハンドグラインダーかなにかで削られています。
SRのピポット幅に合わせるためには
更に追い込み加工が必要なのですが、
適当に加工されていると平面出しに苦労します。
今回作業を担当したのは店長ですが、
キッチリと切削作業を終了し、ホイールも収まりました。
流石です。

因みにXJRのアームに合わせてサスマウントを溶接する場合は、
フレーム側のアッパーマウントに対して外側にオフセットするため、
若干サスがハの字になります。
アッパーマウントの調整でハの字を解消させる事もできますが、
バーエンドやマフラーステーの取り付け方法まで変わってしまいますので
今回はアッパーマウントはいじりませんでした。
もっともノーマルにも関わらず、
もっとオフセットされている車両もあるのですが(汗)

  

↑リヤサポートやキャリパー&トルクロットはすべてお持込です。
元々XJR用なのか問題なくフィッティング完了。

フレームに溶接されているノーマルマフラー固定用のステーは思い切ってカットです。
ステップも市販品のお持込です。
マスターに対してきっちりと入力されているのか
リヤブレーキが良く効くのが印象的でした。
もしもこれでマスターの取り付け角度が垂直方向なら
ペダルの力が逃げてしまい。
もっと効きの悪いブレーキとなってしまうかもしれません。

  


フロント周りはすでに組み込まれた状態でしたが
トップブリッジには当店オリジナルの3XV用をチョイスして頂いております。
当店で見たところステム廻りに調整が必要な部分が残されていますが、
メーターやインジケーター等はセンス良くまとめられています。