ある方より頼まれてドリブンシャフトから取り出すRZR用のメーターギヤボックスの製作をしました。
流用するホイールにノーマルのメーターギヤボックが使用できないためです。
最近は手ごろなデジタルスピードメーターも市販されていますので
当初はそちらを進めたのですか、
デジタルはどうしても嫌だという事です(笑)
このパーツの製作以外にも色々とパーツの換装を行っておりますので
すべて完成したらまた紹介します。

  

↑基本的なオーダーとしてはホンダのギヤボックスが装着できる事と、
シフトシャフトのガタを押さえるためのベアリングを装着する事です。
素材は7075をご希望されました。

↑ オフセットスプロケットの上に載っているのが今回製作したナットです。
以前にもこうしたナットは製作しておりますが、
6角部が二段になっており、下がヤマハ純正ロックワッシャーに対応し、
上がホンダのギヤボックに対応します。

↑ 本来7075材はアルマイトの乗りが悪い素材ですが、
2017Sに比べるとより黒く染まります。
一口に7075材と言っても実はメーカーによって成分が微妙に異なり、
アルマイトの仕上がりにかなりかなり影響します。

ベアリングは写真では一個ですが実際には2個使用します。
シャフト軸で位置が決まってしまうため、
ギヤ本体には多少の遊びを設けて取り付けできるようになります。
これからあと何点か穴あけが必要になります。

最終的にはこのギヤボックに合わせて
フライホイールカバーも削れ出しでワンオフする予定ですが、
当店の設備で設計&製作するには気が遠くなりそうです(笑)

という事で2008.3.

お約束どおりフライホイールカバーがほぼ完成しましたのでアップ!!

   

↑素材は7075材をご希望でしたのでブロック材を取り寄せました。
これくらいの大きさですと、加工素材とジグ材だけでも諭吉が2枚以上必要です。



↑ 加工中です。
切り子でジグも埋まっていますがこれでもエアーで飛ばしながら加工してます。
囲いがあるマシニングセンターなら
ハデに切削油とエアーで切り子を飛ばせますが、(自動)
当店のNCフライス程度では人力に頼る部分も多く、
結局付機械につきっきりとなってしまいます。

   


   

↑仮組みしてありますがこれで完成したわけではなく、
万一転倒した場合のプロテクターをボルト止めします。
そして黒アルマイト処理しておしまい。

   

↑ こんな感じで文字を彫ったり、金属製プレートを埋め込むのも良いかもしれませんね。

製作してみての感想ですが、
「やっと終わったか〜」です(爆)

予算、機械の性能、形状
色々な条件のなかで設計プログラムするだけでも大変な時間を消費しますが、
量産を前提に試作を造るというわけではありませんので
とにかく材料を無駄にできません。
もっとも仮に量産用のプログラムができたとしても
自動小銃にボルトアクションのライフルで立ち向かうような物ですので
それはそれでかなり辛い(笑)