「数年前にオートバイ店にてエンジンO/Hを行った後の走行中に突然後輪がロックする様な症状が発生。
その時点で再度オートバイ店に持ち込みシリンダー内チェックするものの特に異常なし。
しかし再び後輪がロックしたため怖くなって乗らなくなった。」
そんなRZ250R 3HMを当店でお預かりし、エンジンO/H他、フォークやキャブのO/H、
ガソリンタンク内の錆取りコーティング等各部のメンテを行う事になりました。
早速エンジンを下してシリンダーを取り外してみると
これが左右共完璧に焼き付いております。
いかにもオイル切れという症状なのですが
前回O/Hを行った際に腰上を31Kに変更したそうで、
当然オイルポンプも新品の31K用を取り付けたそうです。
う〜む 特に回し過ぎて焼きついたわけではないとの事ですので、
原因を突き止めないとまた焼きつく可能性があります。
因みにすでに1.0mmO/Sのピストンが使われていました。
↑見事に焼き付いていますね。
↑慣れていないとよくある事ですが、
クランク右シールが逆さに取り付けられていました。
クランクはかなり衝撃を受けていると思われますのでO/Hと芯だしを行います。
しかし焼きついた決定的な原因はまだ不明。
↑焼きついた原因を見つけました。
オイルポンプは確かに新品31K用に交換されていましたが
肝心のシャフトウォームが3HMのままです。
つまり250cc用のシャフトに350cc用のオイルポンプが無理やり装着されていたわけです。
シャフトウォームは250用と350用でギヤ形状等が異なりますので
結局ギヤが噛み合わずに内部(赤枠)で破損してしまったわけです。
右の写真が破損して飛び散ったギヤの歯です。
結局オイルポンプがまともに動かないわけですから
シリンダーとピストンはひとたまりもありません。
オイルポンプももちろん再使用不可。
当店としましては原因が判って良かったのですが
車両オーナー様にとっては最悪の展開になってしまいました。
しかも御自身で組み付けたわけではないので尚更ですね。
RZRに詳しいユーザー様には今更ながらのネタですが、
わりと多いトラブルですので今回はあえてアップさせて頂きました!!