R1Z250(3XC2)
メンテナンスオーダーです。
一度入庫して頂いた時点での症状としては
1.ステアリングのガタ
2.フォークのオイル漏れとFフェンダー取り付けステー折れ(アウターチューブ)
3.電装系の不良
に加えてシフトシャフトやドリブンシャフトのシール交換、
ホイールのベアリングやスプロケットの交換が必要という判断をしました。
チェンとスプロケットは新品に交換してからそれほどの距離は走っていないとの事でしたが
スプロケットの摩耗が激しく片減りしています。
フロントを持ち上げてステムを左右に振ると
センターでカコっと引っ掛かるので明らかにベアリングレースの虫食い状態だと判りました。
各部品を発注後、作業のために二回目の入庫をして頂いたところ、
エンジンのヘッド回りが異常に油汚れとなっており、
YPVSバルブジョイントのガタが一気に進んでしまっている模様。
最終的にエンジン、キャブのO/H、
ガソリンタンクのサビ取り&コーティング、
メインハーネスからジェネレーター関連パーツの交換まで必要となってしまいましたが、
それでも長く乗りたいというお客様の決意ですべての処置を行う事となりました。
↑納車直前の一枚!!
↑細かいパーツの撮影を行っている時間がありませんでしたが、
YPVSバルブシールは完全に消耗していて
バルブやホルダーそのものも交換が必要なくらい消耗していました。
フロントフォークは緑枠のステーが一部折れてしまっていたので
中古のアウターを使ってフルオーバーホールしましたが、
ヘドロ状にものすごくオイルが汚れていて
フォークアウター内を清掃するだけでけっこう時間がかかりました。
ステムベアリングは予想通り、大きな虫食い箇所がありました。
ステムベアリングを交換したところ見違えるような走りになった事は言うまでもありませんね!!
↑エンジンを下ろした時にクーラント用のリザーブタンクの中から
大量のオイルが出てきました???
ミッションオイルではなく2ストオイルだと思います。
車両オーナー様は中古でこのR1Zを購入してから一度もリザーブタンクをいじっていないとの事ですので
何かしらの機会に間違えてオイルを入れられた可能性大です。
エンジンO/H直後ではジェネレーターのステーターコイルまでは交換せず、
メインハーネス、レギュレーター、バッテリーを新品に交換して納車しましたが、
その後しばらくしてまたバッテリー上がりの症状が出ました。
再度入庫して頂き充電電圧を調べると
納車時とは異なり明らかに異常があります。
最終的にはステーターコイルを交換して復活しました。
この様に旧車の場合は納車前のチェックで問題が無くとも、
走って振動がくわわる事で状態が急速に悪化する場合もあります。
今回はステーターコイルでしたが、
オイルポンプだったり、ヒューズボックスだったり、
サーボモーター関連のカプラーだったりする場合もあります。
↓次は兵庫県からのメンテ&加工オーダーです。
ハイエースで二台まとめて運んで頂きました。
右側の一台は以前当店で販売したスポークRZです。
今回は市販のタンデムステップの取り付け(溶接)
ステムの切れ角調整、
フレームのオールペイント、
ラジエターのペイント、
ウインカーステーの交換、
その他調整です。
左のRZは
タンクの錆び取り&コーティング、
ラジエターのペイント、
フォークO/H、
キャブO/H、
エンジン回りのカバーペイント等です。
↑どちらも味がありますね!!
↑この市販タンデムステップはRZでは良く使われると思うのですが、
吊るしの状態では緑枠の部分を単純にフレームの下側から当てているだけで
フレームとボルトで固定されているのは赤枠の部分だけなんです。
それではステップの強い力が加わった時に
ステッププレートごとずっこけてしまうのではと考えるお客様が多く、
緑枠部をフレームに溶接して欲しいとのオーダーが入るわけです。
上の写真は当店にて溶接を行った後で一旦全バラし、
フレームペイントを施してから組み上げた状態です。
↑当店では年間を通じてオーダーの多い作業ですが、
タンクの錆びどり&コーティングです。
口の部分までコーティング処理してあります。
↑以前に清掃済みという事でキャブ自体はきれいな状態を保っていましたが、
御覧の通り、錆びの粒子は純正フィルターを通り越してフロート室に溜まっています。
これが原因でオーバーフローしたりするわけですが、
キャブをO/Hしてもガソリンタンク内や燃料ホース内に錆びの粒子があればまた同じ事が起こります。
まずはガソリンタンクと燃料コックを万全に整えた上で
キャブをO/Hを行った方が良いと思います。
市販の燃料フィルターを追加した場合、
目が細かいほど錆の粒子は止められますが、
ガソリンの供給量が追いつかなくなる場合が多々ありますので注意が必要です。
それからRZのキャブはスロットルバルブの張り付きが発生する場合があります。
(アクセルを戻してもバルブが閉まらなくなりエンジンが回り続ける現象)
この症状が発生したキャブでは残念ながらO/H行っても再度発生する可能性が高いです。
いざという時に慌てない様に注意しましょう!!
↑ 赤枠のカバーペイント。
↑ぐはっ 黒くてなんだか判りませんねぇ〜(笑)
車体についていたラジエターより程度の良い純正ラジエターをお持ち込みになられましたので、
ブラスト&ウレタンペイントを施しました。
以上メンテ車両の紹介でした!!