消耗が激しすぎてO/HそのものができなくなったRZクランクの紹介です。
↑以前メンテコーナーにアップしたRZ腰下の画像です。
クランクのガタが原因で焼きつきを起こしています。
コンロットの振れやクランクシャフトの振れ、
また開きなどがメーカー許容範囲を超えている場合やベアリングにガタのあるものは
新品ベアリングやシムを取り寄せてO/Hで対応する事が多いのですが
(新品は非常高価なため 08-11月で約13万 RZ)
RZのクランクはクランクピンの消耗でO/Hすらできない個体が増えてきています。
↑ 写真の二つのクランクはどちらもコンロットの振れや開きが
許容範囲を超えていたため内燃機業者に送ったものです。
もちろんO/Hを行うためですが、
結果はどちらもO/H不可となりました(泣)
※どちらも左側のコンロットを取り外した状態です
↑赤円はコンロッド根元のニードルベアリングをセットするピン部分ですが、
ここの径が擦り減り過ぎているのです。
つまり新品のベアリングに交換してもガタは収まりません。
こうなると完全にアウトです!!
外見のチェックでこうした消耗具合まですべて把握できれば
内燃機業者に送る前に止められるのですが、
残念ながらそこまでの見極めは難しいです。
また当店では直接クランクのバラシまでは行いませんので
内燃機業者に送ってバラしてみて初めてより正確な状態が判るわけです。
↑こちらも駄目でした。
しかも楕円になっていまして、酷いところで0.07mmも減径されています。
結局さらに中古のクランクを用意してO/Hが可能となったわけですが、
RZRやR1Z系のクランクではまだこういった例はほとんどありません。
(あくまでも当店での話ですが)
↑オーバーホール(芯出しも含む)を終えて仕上がったきたクランクです。
コンロットなどは再利用品ですがピカピカに磨かれて納品されます。
内燃機業者へ送る前に当店でもできるだけ洗浄を施しますが、
カウンター部の汚れや錆びなども
更にきれいになって仕上がってきますので安心して使用できます。
という事で今後程度の良いRZクランクの確保は益々難しくなるかもしれませんね。