最近ではめずらしくなったTZR125(2RM)の腰下O/Hオーダーです。
この系統のエンジン(例えばSDRやDT系)は
クランクの組み付けに特殊ツールや技術が必要なため、
パーツリスト上の作業時間設定はRZ250クラスより低めに抑えられていますが、
実際にはそれなりに時間を費やします。
↑検証のためにエンジンを割った状態です。
RZ250やTZR250のパラレル2ツインは上下に分割されますがこちらは縦割となります。
↑ かなり長期的にクランク室内にガソリンが落ちていたのでしょう。
ベアリングは錆びて要交換です。
↑ 反対側も当然同じ状態です。
シールのゴムがブニョブニョにふやけています。
今回は車両オーナー様の判断で腰下のO/Hを決断して持ち込まれたわけですが、
このまま腰上のみのO/Hを行っていたらすぐに駄目になっていたと思います。
↑赤矢印がシールの当たり面です。
ここの段付きが激しい場合は新品のクランクに交換するのがベストです。
↑クランクも錆びてますね。
当然ベアリングは要交換です。
RZ250クラスであればパーツのみ取り寄せてO/Hを行うところですが、
TZR125は新品のクランクの価格がまだ安いので
今回は新品を使う事をお薦めしました。
↑ミッション側のベアリングは見た目はきれいですが、
交換しておいた方が良いと思います。
とは言え圧入されていますので
引き抜きプーラーやプレスが必要になります。
この手のベアリングを挿入するのにプレスを使わず叩いて入れるのはNGです。
斜めに入ってケース本体を傷めたら最後です。