TDR250のエンジンです。
当店に入庫する前にオーバーサイズピストンを使って腰上のO/Hを行ってあるそうですが、
O/H後6000キロで右側の白煙が凄いという事で
一番怪しいクランク右シールの交換をして欲しい。
そんなオーダーです。
クランクシールの交換は腰下を割らなくてはなりませんので
作業内容としては大変ですが、
すでに腰上のO/Hも済んでいるという事ですので
当初、部品代はそれほど高くつかないと思っていましたが...
↑ クランクシールは見事にやられていました。
かなり変形していて、スプリングも飛び出ていました。
これではミッションオイルを吸って白煙が酷く出るはずですね。
↑ 左右であきらかに燃焼状態が違います。
さて問題はこれからです。
ピストンを見てみます↑左写真の様にかなり目立ったカジリが見つかりました。
また↑右写真の様に細かい破片が刺さったかの様なブツブツも見られます。
↑ ヘッドにも凹みができています。
原因は不明ですが異物を噛んでしまった様です。
クランクも当初はそのまま再使用という事でしたが
振れの測定を行ったところ、許容範囲を完全に越えていましたので
O/Hを行う事になりました。
その他気がついた点と言えば、
やはりボーリングした後のポートのバリ取り(面取り)が甘く、
細かいカスを噛んでしまっている可能性がかなり高いという事です。
この辺りの処理の仕方は各ショップによっても異なると思いますので
あまり突っ込んだ話はできませんが、
特にお客様自身で組み付けを行う場合は要注意です。