「RZRのエンジンから異音がするので見てもらいたい」
そんなオーダーです。
早速エンジンをかけるとクラッチ辺りからゴロゴロと音が出ています。
RZRのエンジンは多かれ少なかれある程度音は出ますが、
明らかに通常とは異なります。
そしてギヤはニュートラルでクラッチレバーを握り、
再度放す時には、ワイヤを伝わってエンジンの異常な振動がレバーに伝わります。
(エンジンというかクラッチ関連)
これはただごとじゃないなと思いつつ、
一速に入れてクラッチをつなげようとすると、
ギュルギュルギュルっとZUばりの音を立てながら走りだします。
これはクラッチの消耗云々ではなく、
明らかにギヤが異常に擦れて出る音に違いないと思い、
一先ずクラッチカバーを開けて点検する事にしました。
↑開けてみてまず驚いたのが左写真の摩耗です。
めちゃくちゃ段付きになっています。
そして右写真のギヤの先端は欠けています。
↑そして原因らしきものを判明。
ミッションに繋がるシャフトのベアリングに大きなガタがあり、
シャフトが上下左右に遊びます。
これでは各ギヤの合い面は適正できなくなり、
あのギュルギュルギュル音も出るかもしれません。
因みに見た目はとてもきれいですので
一般の方には消耗している様に見えないと思います。
↑しかし現実に各ギヤの当たり面は異常摩耗してテカテカ
↑緑枠がそのベアリングです。
これがここにあるという事は...
そう、残念ながら外からは取り外せないので腰下まで割ったという事です。
そして関連パーツも怪しいので交換。
当店ではフルO/Hのご依頼があった際には、
基本的にこれらのベアリングは消耗パーツとして見かけはまともでも交換を薦めております。
と言いますのも、持ち込まれた時はかろうじて生きていても、
再使用したとたんに昇天といった例が現実にあるからです。
今回は異音も含め極端に消耗していましたので
HPで報告する事にした次第ですが参考になりましたでしょうか?
さて、問題はここから実際に直ったかどうかですが、
もう祈る様な気持ちでエンジン始動!!
クラッチをつないでも異音はせず
無事にミッション終了と相成りました。