↑ 完成後の写真です。
ホイール径の差で数センチ車高がダウンしますが、
車高調整しなくても特に問題ありませんでした。
サイドスタンドもノンカットです。
チェンテンショナーはアルマイトのため取り外しています。
↑フロントホイールのローター座面追い込み加工です。
フライス盤で加工しますが、
ゲージを当てながら座面の水平を出すのが一苦労です。
10分台では話になりませんので100分台の誤差に納めます。
右はローターを仮固定して遊び具合を見ています。
↑そしてリヤもローターの追い込み加工を行います。
ローター自体はDTとXJRで互換性がありますので、
DTのローターを使う事で、キャリパーやサポートもDTのノーマルを使えるようにします。
↑ローター内円に当たるリブも加工して終了。
とここまで前後ホイールのローター座面加工の紹介をしましたが、
実はもっと大変な加工があります。
DTとXJRでは前後ともアクスルシャフトの径が異なり、
ベアリングの互換性がありません。
(リヤは片側のみ)
そこで、ベアリング圧入面をそれぞれ拡大し、
シャフトに合わせたベアリンクとシールの打ち込みを行います。
当然ベアリング間のディスタンスカラー等もワンオフする必要がありますが、
とても神経を使うので写真を撮っている余裕がありませんでした。
尚、ベアリングを換装させるための拡大加工は、
加工する側の肉厚に余裕があり、
ベアリングそのものの外径差も、
片肉で1mm程度の物に止めておいた方が良いでしょう。
車両お持込でトータルサポートができる場合は
こういった加工も承りますが、
どういった使われ方をするか分らないパーツ単体での加工依頼につきましては
大変申し訳ございませんが受け付けられません。
↑前回DTにXJRのホイールをフィッティングさせた時は
スズキ系の純正キャリパーに対してサポートをワンオフしましたが、
今回はブレンボのキャスティングを採用しました。
サポートを固定するフォークアウターステー側は
本来単純に穴が開いているだけですので、
タップでネジ加工を施します。
またローターが当たる部分ありますのですべてカット。
この形状と位置に決まるまで、
何度も図面を書いては原寸大で検証したのは言うまでもありません↓
↑リヤのスプロケットハブの追い込み加工も必要です。
スイングアーム幅の関係でハブベアリングシールレス仕様とし、
ベアリングは両面圧着シールタイプを採用しました。
スプロケット固定ボルトはロック剤付きの純正ローターボルトを使用。
ホイール右側は、ベアリング圧入部拡大加工後、
新規ベアリングを圧入しますが、シールレスではなく、
圧入したベアリングサイズに合わせて他車のシールを流用します。
ローターボルトは市販のボタンキャップボルトを使用。
↑XJRのメーターギヤボックスは使用できないため、
ABCというショップから販売されている多機能デジタルメーターを採用しました。
カプラーの付け替えから配線加工までけっこう大変です。
特にセンサーを固定させるステーは付属されませんので
各車両の状態に合わせて現物合わせで製作します
(写真右の指差したパーツ)
こういったパーツにショップがエーモンのステー等を使って
手軽に済ませてしまうと、素人チックな出来上がりになってしまいます。
因みにメーター本体は付属のステーで
ハンドルポストに取り付けてありますが、
これはあくまで仮止めであり、この位置では乗車時の視界から
思ったより離れて見ずらくなります。
ライトカウル(!?)の中に納める作業は
車両オーナー殿自らの手で行う事になっておりますので
次回お目にかかる時にはバッチリ仕上がっていると思います。