「CB750FCにXJR1200のスイングアームをフィッティングさせたい。」
そんなオーダーです。
当店では初めてのケースですが、車両オーナー様の下調べ(ネット情報)によりますと
XJR1200のアームはピポット幅もほぼ同じで
ピポットシャフト径を合わせたり、サスマウントの変更を除けば
特に問題になる部分はないのではという事です。
しかしそこは旧車のこと。
数ミリの個体差でパーツの干渉が起こる可能性もありますので
万全を尽くして車両お持ち込みでアームのフィッティングから車検まで当店で承る事にしました。

入庫と言いましても近所にお住まいの方ではありません。
なんと山形県から自走でやってこられました。
入庫された後は夜行バスで帰還されたのですが
すし詰め状態でコムラ返りになったそうです(笑)
いや 本当に御苦労さまでした!!


↑出発前の一枚です。
これからリヤフェンダーレスにしたり、
ウインカー等を交換したりされるそうです。

   

↑それで肝心のXJRアームですが、
検証の結果、事前情報とは全く異なる寸法でした。
ピポットブッシュやカバーも含めたCBアームのピポット幅と同じなのは
あくまでもXJRのスイングアーム単体でのピポット幅であって
XJRアーム正規の状態ではかなり幅が異なります。

という事で色々と加工する事になりました。
まず上の写真左がXJRのノーマル。
これを右の写真の構造に変えます。
どこがどう違うかは想像してください。

   

↑スイングアームは幅詰めしました。
フライスできっちり加工していますので加工面がきれいです。

そしてピポットブッシュも幅詰めした上で
シャフト径を合わせるスペーサーブッシュを製作してフィッティング!!

↑チェンガイドも加工して取り付け
この状態でやっとフレームに仮組できる様になります。

当然初期の段階でXJRのスイングアームに
CBのホイールやブレーキシステムをフィッティングできるか?
またその際に必要となるカラーサイズ等につきましては検証済みです。
しかし、クランクケース、ステップ、マフラーへのアームの干渉具合は、
スイングアームをフレームに仮組できる様になりませんと確実な判断ができません。



↑ピポット周辺そのままではクランクケースに干渉しましたので
写真の様に加工しました。

  

↑XJRのサスマウントを切除して下地を造ります。
右は今回持ち込まれたサスマウントです。

  

 予め製作しておいたアクスルカラーを使って
ホイールやキャリパーサポート、トルクロットを仮組し
サスマウントの位置決め他、ステップ、リヤブレーキマスターの干渉具合を調べます。

写真では分かりませんが、スイングアームはジャッキアップされています。
リヤマスターは取り付け位置を調整してもスイングアームに若干干渉しましたので
その部分はスイングアーム側で凹加工しました。

 

↑新規マウント取り付け完了。
サスはできるだけ八の字にならない様に位置決めしました。

  

↑トルクロットステーも製作します。


   

チェンカバーもしっかり取り付けないと車検に通らなくなりますので
本体への加工+ステー製作で対応させました。


   

↑CBのノーマルホイールを使いますので
左右のクリアランスは十分ですね!!


  

↑トルクロットはCBのノーマルも使用できる様にしてありますが
見た目が悪いとの事でステンレス製へ変更。
マフラーとのクリアランスはギリギリですが
かなりがっちり固定されるタイプですので
振動で干渉する事はありませんでした。


という事で何とかご要望をカタチにする事ができました。
スイングアームが交換されただけでもだいぶイメージが変わりますね。
当店としましても今回こうしたオーダーを頂けて大変感謝しております。


遠方からのオーダー誠にありがとうございました!!