しばらくお預かりしておりましたM殿のRZRが完成しましたので早速アップします。

長年寝かせていたRZRですが、思い切って復活させたいという事で
一番最初のオーダーは足回りの変更と
走らせるための基本メンテ(キャブのO/Hやタンク錆び取りコーティング等)でしたが、
最終的にはエンジンのフルO/Hからフレームのペイントまで
オーダーを頂きました。


  

↑ 足回りはTAKUコンプ仕様の流れです。
フロント3XV倒立 リヤ3MAアームに3XVホイールコンバート仕様です。
チャンバーは城北ムラカミです。

  

↑ ホイール、三又等すべてブラスト&ペイント済みです。
スイングアームはいずれ3MA-SP用に変更する可能性があるため特に今回はペイントしません。
フォークのフルO/Hはもちろんの事、
ベアリング、シール、タイヤ、スプロケット、に至るまで消耗品はきっちり交換します。

  

  

↑ ベース車両は初期型RZRですので本来は機械式タコメータータイプですが
今回は後期の電気式を採用しました。

ハンドルスイッチ類も変更してハザードタイプにしました。

ハーネスは新品に換装しましたが
タコメーターやハンドルスイッチのフィッティングに合せて
カプラー類も色々と変更しています。



↑ ビキニカウル&メーターステーはワンオフ。
トップブリッジも当店で受注生産のオリジナルです。

  

↑ 今回は車両オーナー様のご希望で
我々の世代には懐かしいパッツーテール採用です。
ノーマルフェンダーをカットし、
アルミでナンバーステーを製作しました。

  

↑ フレームはダイヤモンドコート仕上げです。
高価ですがやはりよいですね。
ただし、ネジ穴の調整はきちんと行ってから組み付けないと
思わぬトラブルが発生します。
塗膜が厚いのでアースを取るのにも注意しましょう。

↑ボルト類も交換して行きます。

  

↑ ラジエターは新品です。
ステダンはNHKをチョイス。
ステダンステーはフレーム側に溶接してあります。


  

↑ タンデムステップはR1Zの物を加工してあります。
シートレールにステーを溶接しましたが
ステップブラケット自体はボルト止めですので、普段は取り外し可です。

サスの別体タンクステーはいつものごとく現物合わせでワンオフです。
サイドカバーを外すと、ステー(クランプ)を支えるブロックが見えます。




↑ 今回のステップはネット販売されているフェイズ製の黒です。
本体が黒なのに付属されてくるカラー(指差している部分)が
なぜかシルバーでした。
付けてみるとイマイチカッコ悪いので今回は黒にアルマイトしました。

  

↑エンジンはフルO/Hです。
シリンダーやヘッドはブラストペイントを施しました。
耐油製の艶有りなのでよってとっても綺麗です。



↑これもよくやっくれとオーダーが入るYPVSの赤文字化です。
ベルトサンダーを使用して仕上げます。
ミスると文字が無くなっちゃいますのでかなり緊張しますよ!! 

↑ キャブはTMX30です。
実はキャブまで交換の予定はなく、
ノーマルキャブをO/Hして使用する予定でした。
ところがO/H後いざ走らせると5000回転で頭打ちになります。
念のために2度O/Hを行い、
電装系もとっかえひっかえ交換してテストしましたが結局NG
もう最終的にキャブしかないだろうという事で
店のデモ車からキャブを取り外してテストしたところOK。
結局 他の中古キャブをO/Hしても同じ事の繰り返しになる可能性があり、
市販キャブを購入する事となりました。

純正キャブでも古くなってくると、
目に見えない部分が消耗してきますので、
丹念にO/Hを行いパーツの交換をしても調子が戻らない場合があります。
予めそうした可能性がある事はお伝えして作業を行いますが、
実際にトラブルが発生した時には非常に心苦しい思いになるわけです。
何しろそこに料金が発生しているわけですから....
今回は車両オーナー様に市販キャブの採用を即断して頂き非常に助かりました。

と言う事でまたこうして一生物のRZRの製作に携われた事に感謝しております。
あと何年この仕事が続けられるか判りませんが、
ジジイになっても現役でいたいものですね!!